鋸岳縦走~甲斐駒ヶ岳 2010/12/30-2011/1/1

アルパイン(雪山)

12月30日(S藤記)

■タイム
7:50戸台~10:00角兵衛沢出会~12:00大岩下~ 幕営点

18:00に明大前に集合し、一路北伊那を目指す。駅での宿泊を狙い、北伊那で高速を降りて飯田線駅舎ツアーを始める。伊那松島が快適そうだったが人相の悪い若者の先客がおり断念する。
ノーマークだった北殿の待合室がなかなか快適で暫く宴会の後、就寝。電気が消えれば言うことなしだが、初日はアプローチである、天気予報も悪く、勝手に敗退ムードで気が楽になる。

始発の電車で起き、コンビニで買い出し、朝食を済ませて戸台に向かう。河川敷への道が積雪、凍結で2駆だとやや不安定な状況、帰りに登れるか不安になる。

7:50に歩き出し、地元の山岳会か、市役所の担当者と少し話てからひたすら河原歩きとなる。途中、渡渉に失敗したらしいパーティー(調べたら翌日先行していたパーティーの方だったようだ)が焚火をしていた。

角兵衛沢出合い前でもう1パーティー、角兵衛沢中腹で1パーティーを抜いて本日大岩下一番乗り。前日ピストンをしたパーティーが撤収中で片付け終了後にテントを張る。大岩下というがとても岩とは呼べないほど大きい。

余りにも時間が早いため、酒を飲み始めるタイミングがつかめず、テント内で妙な牽制が行われたりしながら、宴会、夕食。K玉さんの味噌鍋。夕方は青空も出てかなりの好天だった。

………………………………………………………

年末年始は雪山に行きたい、実質的にぶなの最初の冬を迎える去年の秋、漠然と考えていた。でもほぼ初心者である、行ける山はあるのだろうかとの自分のぼやきをS見さんに拾っていただき、今回のPになった。もともとは涸沢岳西尾根から奥穂の予定だったが、天気予報から鋸岳縦走に転進する。

今シーズンは、11月終わりの爺ヶ岳東尾根、八ヶ岳、八方尾根、五竜遠見と訓練を重ねたが、爺ヶ岳の時点で、雪山でアイゼンを履くのが都合2回目(他、アイゼントレで3回)、雪山ベース泊は経験があるものの、冬季山中泊は爺ヶ岳が初めてで、冬季山中二泊は未経験という状態。他の経験豊富なメンバーと比べてかなり劣る状況で、天候より自分の出来が本山行の成否を決めるだろうと考えていた。

案の定、ラッセルもうまく出来ず、体力もなく、遅れ気味になってしまい、そんな中でもなんとか完登できたのは皆さんの辛抱があればこそ。リーダーS見さん、K玉さん、H部さんどうもありがとうございました。

夜明けの甲斐駒の最後の詰めはとても印象的だった。

 

12月31日(H部記)

■タイム
6:00出発 -8:20角兵衛沢のコル-8:40第一高点-9:00小ギャップ(渋滞)-10:00鹿窓-10:30~11:30大ギャップ(渋滞)-12:00第二高点-12:40中ノ川乗越-14:50 幕営点

入山前から冬型が強まる予報が出ており、それを裏付けるかのように夜中には強風が吹いていた。学生時代南アに通った経験から、天気の大崩れは無いと思っていたが、強風は気になる。
第一高点の往復かなあなんて思いながらコルまで上がってみると、風が弱い・・・!これなら行けるだろう。グイっと登って20分で第一高点。小ギャップへの懸垂と登り返しでは渋滞していて非常に寒い思いをした。急な雪壁を降りると鹿窓。密かに楽しみにしていたが、割と小さくて拍子抜けした。

第三高点をあっさりと通り過ぎて少し降りると大ギャップへの下降。フィックスもあるのでココかな、という所から下りたが、もっと先までトラバースしてから下りるのが正解だったようだ。ここから20分ほどで第二高点へ着く。

第二高点まで来れば、六合石室まではすぐでしょとタカをくくっていたが、甘かった。サラサラ雪のラッセル、細かいアップダウン、案外時間がかかる・・・。翌日の事も考えて良いところで早めに幕営。風もなく良いテン場でした。後から追いついてきたパーティは羨ましそうな顔をしていた(笑)

翌日は晴れの予報。甲斐駒ピークでのご来光を狙うべく、2時起床と決めて就寝。

そういえば反省点を。今晩の食事は僕の担当。生姜焼き定食の予定だったが、迂闊にも白い米を忘れていた。一応全員の予備用の食事をまわして事無きを得たが、シビアな状況だったら間違いなくピンチだろう。この手の間違いはあまりやらないほうなので自分でもショックだったが、猛省したい。

 

1月1日(K玉T彦記)

■タイム
2:0起床‐3:50 行動開始‐4:20 六号石室‐ 5:00 鎖場通過‐7:15 甲斐駒ケ岳山頂‐8:40 駒津峰‐9:40 仙水峠‐10:30北沢峠‐14:00 戸台

甲斐駒ケ岳山頂で初日の出を見るべく、3時50分に出発。日の出は午前7時より少し前だという。強い風の音が響くが、稜線の樹林帯の幕場は全く風がない。稜線の風を心配しつつも真っ暗な中ヘッデンで歩き出す。昨夜の先行パーティーのトレースはしっかり残っている。

20分ほど歩いたところで六合石室に到着。先行者たちはここで泊まっている模様。ここから先は我々がトレースを引く。石室から稜線に稜向かってラッセルを続ける。暗くて赤布や夏道の形跡がわからずなんとなく稜線上を歩く。ようやく赤布をみつける。ラッセルは少なくなり、いよいよ風が強くなってくる。

鎖場はK玉が鎖ゴボウでロープをひく。H部さんS見さんが中間で登り、S藤さんがラスト。ビレー中は風をよけることもできずひたすら寒さに耐える。

東の空がいよいよ白んでくる。元旦の太陽はちょうど甲斐駒ケ岳の方向から登ってくるようだ。初日の出に間に合わないという焦りがあったか、ルートを間違えて岩場で前進できなくなり少し戻る。最後の急斜面を登り7時10分山頂へ。すでに太陽は登っている。空は澄んでいておどろくほど穏やかな山頂だ。

記念写真と360度パノラマの写真を撮り終えていよいよ下山。仙水峠経由の下山路は、登ってくる登山者と次々とすれ違う。スカートをはいた登山者を横目で見ながらトレースを追ってひたすら下山。
北沢峠には10時過ぎに到着。長い長い河原を歩いて戸台に着いたのは14時。これにて年末年始山行が終わった。天気に翻弄されて転進した南アルプスだったが、思いがけない好天。年越しを山で過ごしたのは初めてだったが、記憶に残る山行になった。

 

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