■メンバー
LS田(記)、T中、S津、K玉
棒沢は苗場山山頂南東側から水を集め、清津川に注ぐ沢である。これといった特徴も華やかさもないが、釜、滝、ナメ、ゴルジュと沢の要素がコンパクトにまとまっており、巻きはほとんどなく、背丈程度の熊笹を抜ければ苗場山山頂直下の登山道に詰め上がる、まあまあの沢。
9月11日
7:30ゲート出発-7:55棒沢出合-9:50二段の滝-13:15上ユウビツ倉沢出合-14:10幕営地(1400m横追沢分岐)
ゲート下の駐車スペースに車を置き、赤湯への林道を進む。30分弱で棒沢出合、立派な標識がある。鉄橋を渡り、堤を越えて入渓する。水量は通常より5cm程少ない模様。薄いぬめりで、アクアステルス、フェルトどちらも滑る。すぐに大きな釜を持った2段ナメ滝。びっくりするほどちゃんとしたトラロープがフィックスされており、なんで?と思うが、釜が深く取り付きまで足が着かないし、ホールドは緩く、ぬめっている。1段登って左側へトラバースするには、岩肌はなめらか過ぎる。ここはトラロープ様様でクリア。
2~3mのナメ滝が続く。その後、釜を持った7m滝。ぬめりはあるが、左側から登れそう。ルート検討中に左岸に残置ロープを発見、それに誘われ左岸を高巻くが、滝横登れたかもなあー、と心残り。しばらくゴーロと小滝が続き、倒木の2m滝を過ぎると突然薄暗いゴルジュが現れる。
5m・5mのトイ状2段の滝、右の潅木帯にはつららのように多数の残置ロープが下がっているが、我々は躊躇なく突破を試み、K玉リードで滝の右側に取り付く。階段状だが、ぬめっている。1段目を越えるとそのまま2段目も登り、滝上にハーケンで支点を作る。2段目が核心、滝横がチムニー状になっている。チムニーに入り込まずに水流の中のスタンスと左壁を使えば難しくない(K玉談)らしいが、T中・S田は水流を受け、結構(かなり)苦労する。ロープを使ったのはこの1箇所のみ。
ゴルジュを過ぎると沢が開けて明るくなる。幅広のナメが100m程続き、気持ちがいい。日差しを浴びながら休憩を取る。その後は単調なゴーロが続き、飽きる。何箇所かインゼルもある。左側に大きく崩れ落ちたザレ場が見えると、両岸の岩質が岩を含んだ砂質の堆積岩に変わる。ホールド豊富で助かるが、加重をかけると岩が抜ける。釜のある1m滝を越えると上ユウビツ倉沢の出合。幕営地を探しながら1時間ほどゴーロを進むと1400m横追沢との分岐に到着。この先は傾斜もきつくなるので、高台を本格的に整地してタープを張る。遡行中、何度か魚影を確認したものの、本日釣果なし。
9月12日
6:50出発-9:30登山道(1900m付近)-10:20苗場山山頂-13:20赤湯-15:30ゲート
渓相を見る限り、横追沢(右俣)が本流だと思われるが、我々は苗場山を目指すのでお花畑沢(左俣)を進む。出発してすぐに沢幅は狭まり、左右が岩交じりの砂質堆積岩となる。連続するトイ状滝をツッパリで越えて行くが、スタンス豊富でぬめりもなく快適遡行。小さな釜や小滝を越えて進むと、源頭の様相となる。いくつかインゼルを過ぎ、1530mの分岐を右に進むと、予想より早く水が枯れてしまった。
傾斜も緩く、植生も熊笹のみなので大した苦労もなく登山道に詰め上がる。せっかくのお花畑沢ではあるが、季節外れで花はない。
苗場山への急登を過ぎると広々とした頂上湿原。雨で何も見えないが、きっと素晴らしい景色なんだろう、多分。遊仙閣横の山頂標識まで行き、傍らの鐘を鳴らして下山。昌次新道の下山は傾斜も緩くなかなか高度が下がらないが、道はきちんと整備されており歩きやすい。3時間で赤湯、その後2時間でゲートへ戻った。
(S田)
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