メンバー: N村L、K田
チャレンジアルパインの本で目の前に広がる一直線の蜘蛛の糸。。。
あぁ、どんなとこなんだろう、行きたいなーと思って3年。
行きたいけど、グレード観ると僕には縁のない世界。
それから数年経ち、ぶなに入ったおかげでクライミングして頂ける仲間と知り合え、屏風計画が始まり、その流れでボソッと「来年、フリーで赤蜘蛛行ってみたいんだよね。せっかく屏風の為に今あぶみの練習してるから、今年「赤蜘蛛に行って偵察してみたい」って言ったら意外と乗り気の方があつまった。。。
当初は当然あぶみで行こうと思ってたけど、チョー強力なK田さんというパートナーと知り合う事が出来た。
最初は、「せっかく行くならフリーで行きませんか?」と誘ってみたが「行けるわけないだろ!」っていう回答を期待してたら、K田さんからは「そうね、、、いいかも」!!!???
「えっ、マジ?」(^^;;
今度は自分が言わなきゃよかったと少し後悔を覚えつつ、言ったからには練習せんと、、、
ということで、合宿が始まり今回の山行につながりました。
(≧∇≦)
・1p目(N村) 25m
最初の1手は、ボルダームーブから始まるセクション。
上部のカチを見つけられればそれほどでもなく、思わずいけんじゃないの?と思ったけど3ピン目の人口ルートへのトラバースまでがやっぱりむずい。。。
ここで時間をかけてられないので、さっさとA0で逃げちゃう。
体が慣れてれば別ですが、朝一のこれは、核心の一つになると思います。
・2p目(N村) 40m
2ピッチ目(5.8コーナークラック)はフリーセクションになるので、リング支点少ないので基本はNPでセットしながら登るのを楽しんでください。
40mボロハーケンで作られた支点(ハンギングビレイ)があるけど、それの上10mにもっとましなリングボルトの支点がありますのでそこまで行っちゃった方が良いです。
その場合は50mの距離になります。
そこまでつなげちゃうと、次は大テラスまで伸ばした方が効率的かと思います。
・︎3P目前半(K田) 10m位
最初の一歩。短いクラックへカムを決めるまでが怖くて悪い。
何とかこなしてA0混じりで10m程登る。
リングボルトの支点があり、その先が分岐している。
右の凹角ハング沿いがボルトラダー。
左のスラブがエイド不可のフリーのライン。
右はA0で行けそうだが、左は悪い。
悩んだ末、リード交代。
︎・3p目後半ー4p目(N村) 40m
「お前行けや!」と目で言い渡されビビりながら交代。左のスラブをなんとか登るも10m位登ってから、途中からピンが見えず※
あぁ、フリーってむずいなー10bなのに。。。
左手は手はグラグラちっちゃいピンチ、右手はカチアンダーで左足は左手の20cm下のところしかないからハイステップでなんとか攻略しようと右手フルパワーかけたら、「バリっ」と岩が剥がれてしまいさらに難しくなる。。。。
おかしいなー?けどこれがフリールートなのか?と思いながらもなんとかクリアしたはいいけど、いつまでたってもピンが見えず。。。
一旦懸垂で降りて冷静に様子を見てみたら、なんてことはなくて右手にトラバースして人工ルートへ合流するラインがある!結局これを使ってハングを超える。
ハングを超えた後は快適なラインを刻む。距離感間違えて登り過ぎてしまい、大テラスにはクライムダウンで到着。
︎・5P目(K田) 25m
快適なピッチ
凹からスタートしてテラスの上に立ち上がると、爽やかで開放的な空間となる。
ボルトに導かれるままに先へ進むと、スーパークラックが目前に姿を現した。
感動の瞬間に思わず歓声をあげる。
そして「こんにちは。」とご挨拶。
現代クライマーの目線で言わせてもらえば
「ここはフリーで登るべきだ。」と感じるのは、とても自然な事だと思った。
とても美しく、そして長い。
・︎6p目(N村) 30m
いよいよご対面。
緊張と興奮で身が引き締まる。左端にボルトラダーがあり、その右に2つクラックが並ぶ。
最初は10a位の超快適なハンドが続く。。。俺上手くなったのか?と錯覚してみたが、そんな事はなかった。。。
1番右のクラックと真ん中のダブルクラックを使って登ったが、右端は岩が脆くて結構剥がれる感じ。なんか岩がワイルドでした。。。
最後の5m位になると真ん中のクラックと右端が集まって最後は1本のフィンガーに。
ここの処理がメチャメチャ難しい。。。三鷹で修行が必要だと痛感。
3pー4pの所で体力と時間を持ってかれてたので、ここは無理せずA0突破。
次回への宿題!
・︎7P目(K田) 40m
「スーパークラック」
憧れ続けたラインを前に少し緊張しながらも、頭の中では戦略コンピューターがフル稼働!
入念にオブザベをしてから小さなカムを2つセットして、フインガーとサムカムでスタート。
中途半端なシンハンドが続く。
悪いサイズはどうせ利かない。数秒でも耐えられるポイントを繋ぎながら、強気で素早く抜けてしまうのがいい。
そんな事を繰り返しているうちに、クラックは広くなりハンドサイズが決まるようになっていた。
どうやら序盤の核心は抜けた様だ。
見上げれば延々と続くワイドハンド。
左上しているので右足はジャム。左足はフェースの細かいのを拾いながら
レストと脱力を意識し丁寧に上へ上へ。。。
長い!
同じ幅のクラックが何処までも続き、カムが足りそうもない。
一つ決めては下のカムを回収するという流れで、適度にランナウトさせた。
上部は薄被りになってきて疲労する。
時々レストはしているものの、だんだん腕の感覚がなくなってきた。
やがて左にリッジが現れ、そこに立ち大レスト。
ゴールは目前に見えてきた。
しかし、それより先のクラックはサイズも悪くなり中はビッショリと濡れている。
リッジに立ったまま、クラックの中にジャムの利くポイントを探る。
「落ちるかも知れない。」
とコールしてから
思い切って右足に立ちこみ体を上げて手を飛ばす。上のクラックに手を刺し、ジャムが利きそうなポイントを探すも。。。
ない!ない!無い!悪い!!!
たまらずにクライムダウン。
リッジに戻って、再レスト。
「落ち着いて。落ち着いて。」
必ず突破口はあるはず。
「もう一度行きます!」
今度は少し戦略を変え、ようやく有効なジャムポイントを捕らえた。
そのまま足を一段上のリッジに上げて乗り込むと体制が安定した。
びしょ濡れのクラックへ大切に温存していたカムをセットして
右のフェースへ乗り込み、右へ右へとトラバースする。
ホールドは脆いカチと草のみ。
とても不安定。そしてプロテクションが取れない。
途中、草の中に隠れた短いクラックを発見!濡れて土が埋まっているがジャムが利くのでレスト。
そこにカムを決めてみようと試みたが欲しいサイズは玉切れだった。
疲労して感覚の薄くなった手でクラック内の土を掘り出し、残っていた小さなカムを無理やりねじ込む。
更に右上、草付をマントリングしてテラスへ上り込み、終了点へセルフセット。
やっと終わった。
安堵感と満足感。
この地の全てに「ありがとう。」と何度もつぶやいた。
︎・8p目(N村) 30m
最後はダメ押しのこれまた結構悪いスラブ。。。
小川山で鍛えてれば、楽しめると思います。
疲れてたり、濡れてると相当しんどいかも。
・︎9P目(K田) 40m
明瞭な踏み跡を辿り、Aフランケの頭を目指して上へ向かう。
林の中で、ロープの流れが悪くなってきたので一度ピッチを切る。
念の為にロープを出したが、不要かも知れない。
登攀的要素はない。
終わってみると、嬉しい反面、来年に向けての課題がたくさん見えました。
それにしてもK田さんのスーパークラックオンサイトは神々しい瞬間でした。
これが永遠に続くといいなーってビレイしながらも思えた時でした。
K田さん、時間を共有させてくれてありがとうございました。素晴らしくまた尊い時間を過ごせました!
ぶなに入ったおかげで色んな夢が広がるな~。
(N村)
コメント