◆S藤H明
0P 寒い朝、裸足での沢の渡渉は辛い。
1P 濡れた泥バンドを左上、滑って恐ろしい。
2P 登り方が判らないと苦労する垂壁を登って左上、ピンはない。
3P 垂直に上がっていくが、クラックは難しい。正しくはボルトのある右壁。易しいところで泥靴が滑ってH明3m墜落。
4P 少し登って右に下りトラバースして直上。
5P ハング下をトラバース。
6P M恵さん2回落ちる。H明に交替するもM恵さんフォローでも落ちる。恐ろしいトラバース。
7P 垂壁からカンテを右に越える、
8P は簡単。
9P シビアなチムニーを登って、中央バンドを横断。
10P 左からバンドを右上するのだが直上。M恵さん岩が外れて墜落。
11P 垂壁。
12P パノラマトラバース、下を見ると壮絶な高度感に震える。
13P 10aにして核心だが、真ん中の一歩一手は私的には無理。
14P 左稜線に出る。
15P 尾根の反対側に下降する。暗くなる。
◆K藤Y司
澄んだ秋空の下、相棒が遅れてきたので、われわれパーティがルートに取り付いたのは7時45分でした。昨晩のお湿りで初めの数ピッチが濡れていておまけに靴底に泥がついて悪かった。
石灰岩の岩質が好い感じだったが、ホールドが欠けないかという心配もあった。ここは浮石、落石は気が抜けない。
その昔ここをフリーソロしたP・エドランジェが「おれを殺す気か!!」と言ったことが何回も去来した。今回も先行者による落石を受けたとともに、また自らも何回か落石をひきおこしてしまった。残り3ピッチのところで、すでに西の空はオレンジ色に輝いていた。登攀は時間ぎりぎりで下山は迷った。それにしてもフリースピリットというルート名はなかなかカッコ好い。‘自由な魂‘いやただ単にフリークライミングのこころ意気ということなんだろうけど。相棒のO部くんは23時に仕事を終えて神戸から車できて一睡もせずによくやるなあ。さすが39才、若い!?
◆S口M恵
おととしだかその前年だかに続いてフリスピは2度目。明星は沢の徒渉などの関係で登り易い季節が秋に限られているのだが、今年も見事な紅葉を楽しめた。しかし素晴らしい紅葉に比べ私の登りはダメダメで、本番でこんなに落ちるか!という内容だった。だいたいジムにも通わず怠惰な生活をしていてフリスピに来るなど、言語道断である。H明さん大変じゃない時は無いけど、今回もやっぱり大変な思いをさせてしまいましたね。スマンコトデス。
街で見かけたら、どうみてもおじいちゃん、おばあちゃんと呼ぶのがふさわしい男女パーティと下山が一緒になった。真っ暗な下山の途中、ほら山椒よ、いい香りでしょう。と、私にかざしてくれた。何という余裕!私も、将来、明星は無理でも一ノ倉南稜あたりに紅葉を楽しみながらのんびりクライミングできる婆になれればいいな。
コメント