鬼首(おにこうべ) 禿岳ダイレクト尾根 2020/3/21

アルパイン(雪山)

[メンバー]

L Kぽん(会員外)、ビック・ワン

[行動経過(天候・タイム)]

3/21(土) AM:雨後晴れ PM:吹雪後曇り

08:50 駐車地点

09:40 ダイレクト尾根取りつき

12:10 1P目登攀開始

14:00 3P目終了

14:50 禿岳※ホワイトアウトによりテント待機

16:00 禿岳出発

16:40 下降点の尾根

18:00  禿岳登山口

18:45  駐車場

[ルート概要・特記事項]

宮城と岩手の県境の南、奥羽山脈中部に位置する禿岳(かむろだけ)。

ダイレクト尾根は、文字通り山頂に向かって突き上げる、標高に見合わず格好の良い男前な稜だ。厳冬期はキノコ雪抱える雪稜も、春が近づくと一変し、痩せ細ったスノーリッジが待ち構える。

絶妙なバランスでブッシュに乗っかったスノーリッジは、幅30cmに満たず標高1000m地点での平均台は痺れた。

正面の稜がダイレクト尾根

前夜高速を北へひたすら走り、鳴子温泉の駅前で4H仮眠を取った後禿岳へ。

駐車地点に着く前から雨が振り出し、本降りに。車で待てど暮らせど意固地な雨は去ろうとしない。

途中、女性登山家パーティが果敢にも雨のなかダイレクト尾根向かっていった。

我々も 雨が止んだのを見計らって、仕度を済ませスタート。

悪天候に捕まっても良い様に最低限の幕営装備を担ぐ事にした。後にこの判断に救われる事になる。

林道から雪原をダイレクト尾根の取りつきへ向かって歩く。さっきとは打って変わって晴れている。

尾根の突端で早くも女性パーティに追い付いた。色々考慮してか彼女らは引き返す事にした様だ。

尾根に乗ると徐々に雪が増え、ツボ足で調子よく高度を上げていく。

標高900m付近から急な傾斜と共に絵に書いた様なスノー リッジが登場。

ブッシュ上に乗っかったリッジは、 一見不安定に見えるが、雪の締まりは良くノーロープで登る。

大丈夫と分かっていても、足場は狭く一歩一歩息を吐きながら慎重に歩みを進めた。

リッジと薮登りを繰り返していくと、更に鋭利なリッジが現れる。

1P:55m(ビック・ワン)

途中までリッジラインを忠実に辿る。足元の幅は30cm程度で先ほどより緊張が走る。

ランナー、終了点は灌木で 豊富に取れる。

極細スノーリッジ慎重かつ丁寧に立ち込む

2P:40m(Kぽん)

ブッシュのモンキークライム。腕力で気持ち良く越えていく。

次のピッチまで100m程コンテ

3P:25m(ビック・ワン)

正面にブッシュ交りの岩。左からも負けるが直登を選択。

3P目のフォローを向かい入れる辺りで、天候が悪化してきた。先ほど天気は2つ玉低気圧前の疑似好天だ。

風雪を伴うホワイトアウト

次第にみぞれ交りの風雪が強まり視界もホワイトアウト。Geographicaで方向を修正しながら山頂に辿り着く。

この状態だと雪庇を踏み抜きと下降路をロストするリスクが高い為テントに避難する。

暴風雪が止む気配は無く明日の低気圧が通過する予報だ。下手したら明日の夕方まで出られない可能性も出てきた。

が、16:00過ぎに一時的に雲が切れて視界が回復してきた。このタイミングを逃さまいと急いで撤収し下山に取りかかる。

稜線上は、案の定雪庇が何カ所か発達していて、視界不良では越えるのは困難が予想できる。

下降の尾根は緩やかだが踏み抜きが多く、濡れで消耗した身体にボディブローの様にじわりと効いてきた。

それでも安全圏に入った安堵感は大きい。日暮れと同時に尾根を降りきり全身の疲れと満足感に浸りながら駐車地点へと帰った。

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