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こんな気持ちは初めてだ。音も無く静かに燃えている。だけど、凄く、熱い。
更に温度が上がって周りのものを融かしてしまいそう。
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これはあるクライマーの魂の彷徨い。
それはあるクライマーの記憶と回顧録。
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『乾いた岩が大好きなんだよ俺は!』
2007年1月に当HPに書き綴られた随筆。
著者の名はそこには書かれていない。
「天に召されるとき真っ先に思い出すような一年にする」
そんな決意と熱い詩から本作は始まり、以降12個にも及ぶ目標ルートとそれを達成するための中間的目標、読むだけで鼻血が垂れてきそうな激しいトレーニングメニューが書かれている。
著者のクライミングに対する張り裂けんばかりの情熱と日本刀さながらのキレた論理的思考能力がうかがえる内容だ。
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『濡れた岩が大好きなんだよ俺は!』
一方こちらが綴られたのは2008年3月。
内容は昔山ヤ(オールドクライマー)の先輩に山岳会入会希望者の後輩があれこれ相談をするといったもの。こちらは会話形式の文章で同じく著者は不明。
先輩からのアドバイスや古風な精神論を交えながら話の内容はぶなの会へと流れてゆく。
先輩曰くぶなには奇天烈なリーダー部長なる人間がいるらしい。
彼の破天荒なエピソードの数々とそんな彼の書いた『乾いた岩が大好きなんだよ俺は!』というエッセイの存在についてもそこでは触れられている。そう、前述のエッセイは「リーダー部長」と呼ばれる人間によって書かれたようだ。その人物像も酷い書かれようだ。
以上がざっくりとした内容である。
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[考察タイム]
この2作品、『乾いた』の方は著者がリーダー部長である事が判明したが、『濡れた』の方は不明。
ここで『濡れた』の著者としてひとまず予想される人物を以下に挙げてみた。
①リーダー部長の信奉者
②悪意を持ってリーダー部長を陥れようとする敵
③リーダー部長本人
②についてはおそらく無い。そう言った誹謗中傷の文章はライティングポリスに削除されるからである。
①と③については非常に頭を悩ませるところだ。
しかし、僕はあえて③に賭けたい。1年を跨いだ作品群の壮大なオチとして僕はリーダー部長を信じる事にした。
その仮説をグループラインにて提言。
僕の推理は当たっていた。
『濡れた』の著者はリーダー部長だった!!
さあ、考察はまだ続きます。
むしろこれからが本番です。
『濡れた』を読んだ時、僕はその会話の内容にいつも違和感を感じていました。
出てくる単語や話の筋立て方、文字の持つ息遣いに。
妙なリアリティを放っているのです。
そこからは血眼になって探しました。その違和感の正体、これら作品群の裏の裏を。
あった!!
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これだ!!!
『濡れた』で登場する「先輩」と「後輩」はそれぞれ「現在の自分」と「過去の自分」を投影していたんだ!!
「現在の自分」が「過去の自分」へ助言を与えられるなら…
というコンセプトのもと書き出された文章だったのだ!
“現在の自分”と”過去の自分”のメタ認知的会話。そしてその会話の中に登場する『乾いた』の自分。
著者の小宇宙の如く想像力から解き放たれた二重三重のトリック。
リーダー部長の鍛え研ぎ澄まされたメタ認知能力にも感嘆せざるを得ない!!
この論考は来月にでも日本ヒマラヤ協会に提出することにしよう。
各学会に激震が走るのも時間の問題である。
PS:
旧リーダー部長様、好き勝手考察してしまい申し訳ありません。
だって…
読んでて面白かったんですもん!!テヘペロ
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