2011年3月18日(金)~3月22日(火)
知床半島・山スキー
■メンバー
L Y田S、S見K子(19日)
■日程
3/18 羽田~女満別~羅臼
3/19 知床岳
3/20 羅臼岳(敗退)
3/21 東岳(敗退)
3/22 海別岳~女満別~羽田
個人的に知床が好きで、かつては毎夏のように通っていたが、去年から冬通いに変わった。今年はぶなでメンバーを募り知床の山を滑りまくり!と思っていたら3/11に東日本大震災。自粛のすすめという名の他粛の嵐強まる中、気持ち変わらず行くことに。残念ながら直前に仕事の都合がつかない人が増え、S見さんと2人だけのスタートとなった。
・3/18(金) 移動のみ 曇り時々晴れ
早朝に自宅発。11時前に女満別空港にてレンタカー出発。S見さんは別途、中標津inのため独り東へ走る。前日に降雪があったとのことで、道路にもところどころ雪が残るコンディション。この日、計画では知床半島の付け根にあるルベス岳に入るつもりだったが、飛行機の遅れや天候不良もあり入山中止。というか予想外に単独スタートとなったのでモチベーションが上がらないのが本当のところか。標津で昼飯を食って羅臼へ向かう。去年流氷の海だった太平洋にさすがに流氷はほとんど見当たらない。(吹き溜まりみたいなとこにあった)
翌日の下見ということで相泊まで走り状況確認。エゾ鹿がすげーたくさんいた。あとはフィールドハウスで情報収集など。最後、毎年知床岬の番屋で世話になってたばーちゃん(キャサリン)のところへ寄ってカニをもらった。道の駅でS見さんと合流し、この日は相泊の道端でテントを張る。
・3/19(土) 知床岳 曇りのち晴れ
5:15相泊-11:20知床岳-11:40下山開始-14:30相泊
気合入れて早めの出発。道路がないため最初しばらく海岸を進む。波が打ち寄せる海岸をシールで進むのは不思議な感じ。日本中探してもこーゆーロケーションの山は、なかなかないんちゃうかな。
15分ほどでカモイウンベ川の左岸へ。取付きだけ急傾斜なので板を外して登る。しかし雪が少ない、もうちょっと付いていればここもシールで上がれそうなもんだけど。
すぐに傾斜は落ち、そこからは台地状となりひたすらダラダラ傾斜の林間ルートが続く。カモイウンベ川をスノーブリッジで渡って一本左の尾根を上がる。
途中で間違えて左の尾根に入りそうになりつつも進む。ちなみにGPSに入ってる地図の範囲外であったらしく、GPSの画面は真っ暗だった。。。
標高600m過ぎから樹林が疎になり傾斜が急となる。南東向きとはいえ風に叩かれた斜面はカリカリになって来、たまらずクトーをつける。 S見さんはクトーがないので足アイゼンだ。時間かかるで~。地元の記録だとみんなこの斜面は板を担いでるらしいが、クトーがあればシールで十分行ける程度の傾斜。だけど上部はけっこうカリカリで緊張。滑ったらかなりの距離、滑落するなぁ。セルフアレストポールが欲しい。
そのうち傾斜が緩み、ハイマツが出てるところで一息つく。風が冷たい。S見さんが追いついてきたところで上部の台地状の雪原を進む。標高900m過ぎからはアップダウンを何度かこなしながら山頂と思われる方面へ進む。最後、お鉢巡りのように頂上の稜線をぐるっと時計回りに10分ほど進んだ、稜線南西端が山頂だった。
2004年の7月に来たときは小さな木の目印があったが、もちろん埋まってて何も見当たらないが、まぁここだろう。前回登ったときはもう2度と来ない場所だろうなと思ったこともあり、感慨深かった。東にポロモイ、そしてウィーヌプリが見える。次はあの先まで行きたいなぁ。反対側には硫黄岳かな、羅臼岳が見えてるのかどうかはわからん。写真を撮って下山開始。
頂上でシールを剥がし、ひたすらトラバースを繰り返して上部台地をかわして急傾斜上部へ向かう。広い尾根だが雪はガリガリ、かつハイマツがかなり出てて滑りにくい。ここで登ってくる4人パーティに会う。室蘭の山岳会だとか。見たことないような細い長い古い板を背負っている。そしてやっぱ板は担いではった…。
沢筋滑ると楽しいという話だったので沢筋に滑り込むことに。トラバースしながら積雪状態調べつつ、よさげな斜面を探す。雪の柔らかめな斜面
を見つけ、そこへドロップ。傾斜は35-40度くらいか?なかなか楽しい。S見さんと写真を取り合いながら滑ってると、S見さんが派手に転倒、そしてなかなか起き上がれない。膝を痛めたらしい。ターンできないってことで傾斜が緩むまで担いで降り、その後はキックターンを繰り返し下山。せっかくいい雪になってきたとこなのにもったいない…まぁともあれ、大事に至らず無事降りられて良かった。
熊の湯で風呂に入り、買出しの後この日は知遠別小学校跡地前でテントを張る。
・3/20(日) 羅臼岳 快晴…しかし強風 単独
6:30熊の湯-9:50標高900m付近 敗退-11:00 熊の湯
S見さんの膝の状態はよくないらしい。おそらくもうこのシリーズ中、スキーはムリだろう。しかし天気がいいので単独で羅臼岳へ向かうことにする。ちなみに無雪期含めて羅臼岳は初挑戦だったりする。10年も羅臼に通ってるのになにやってんだか。
熊の湯横に車を停め、ゲート脇からスタート。しばらくは舗装道横をシールで進む。知床大橋をくぐり登山川左岸へ取り付き、すぐにスノーブリッジで右岸へ渡る。両岸共に急傾斜であまり良くない。
急傾斜を登り切ると傾斜は落ち、その後は傾斜の緩いところを探して登る感じとなる。ほどなくクライマーズレフトからきたトレースと合流。どこから上がってきたんやろか?ここからしばらくこのトレースを追う。
トレースが上まで行ってたら案外楽勝?とか思ってるとそう甘くもなく、ほどなくなぜかトレースが引き返した…しょうがないのでやっぱり自分で線を引く。別になきゃないで、ない方が楽しいのだが、あるのに無視するのはそれはそれでなかなか勇気が要ったりする。
急傾斜の尾根に左側から取り付き、ジグを切って登り詰める。斜面を選べば雪は柔らかく、クトーなしでもなんとかなる。尾根に乗ってからは斜面が南東ということもあり雪の状態はよく、すいすい。行く先に羅臼岳が見えてきたが、えらいことになってる。山頂付近は強風のせいと思われる雪煙で覆われている。風も強くなってきたがまだ行動できないほどではない。標高800mを超え、知床峠に続くプラトーに出た。
この辺から風が強くなってきた。相変わらず快晴だがTシャツ一枚だいとさすがに寒くなってきたので比較的風を防げる場所に隠れ、ジャケットを着る。しばらく進んでみたが、ほどなく強風でまったく先へ進めなくなる。もがいてみたが、同じ場所で風に押し流されてすっ転ぶだけ。相変わらず羅臼は雪煙に包まれたまま。2-3回、同じことを繰り返した後、こりゃずっとこれだと無理だ、と思いここで敗退決定。クトーをつけたまま一段下の風がマシになるところまで這々の体で逃げ帰る。
あーすげぇ強風だったなぁ。さすが知床の主稜線…。ま、状況いい時にまた来るか、というわけでとっとと滑走に入る。主に往路を戻ったが、南東面で程良く柔らかく、強風で飛ばされてきたと思われる雪がたまった斜面もありなかなか快適滑走できた。傾斜が急になってからはやや樹林の密度が上がり、その後は木の間を縫うように標高を下げる。最後の方は傾斜も落ち雪質も悪かったが、まぁこなしながら降りる。登りで使った先行トレースはどこに降りてるんだろうと思い見に行くと、羅臼川を砂防ダムで渡って知床大橋の向こう側へ出ていた。なるほどね。こっちの方が楽かも。
車に戻るとワイパーに書置きが。 S見さん今日の飛行機で帰ります…って。車の下に共同装備やら食料が入ったダンボールが置いてあった。ありゃりゃ。ついに一人になっちゃいましたなぁ…今晩からの飲み相手がいなくなりました。
まだ昼前だったので風呂に入ってからドライブがてら中標津へ回転寿司を食いに行く。片道70km走って回転寿司って…贅沢というかなんというか。この日からテント張らずに車泊に切り替え。道の駅駐車場泊。
・3/21(月) 東岳、敗退してケンネベツ川滑走 曇り 単独
7:15知円別小中学校-10:30標高1200m付近 敗退-12:15知円別小中学校
朝イチは羅臼リベンジのつもりだったが、風音が昨日と大して変わらん感じがしたので取付きまで行って中止、東岳へ転進したため出発はやや遅くなった。
去年2月に途中まで登った山なのでそのへんまではけっこうスイスイ。休憩してると後ろから2パーティ来た。オレが出発した時にすでに車2台あったから、結構たくさん人入ってる山だなぁ、と思ってたらどうも先に入った人をどっかで抜いたみたい。
標高600mあたりまで登ると台地状となり、ここからは比較的尾根っぽいところを目指して進む。 風が強いが昨日ほどではない。視界はまぁまぁ。 他パーティと抜きつ抜かれつしつつ、急傾斜を登る。アイスバーンなのでクトーをつけて登ってたのだが、音がおかしいな、と思い足元を見なおしてみると「カラーーン」高い音を残してクトーが斜面をすっ飛んでいった。
さすがにこの斜面、クトーなしで行くのもつらいのでここで敗退。シールを外し、滑走しながらかなりしつこくクトーを探してみたがけっきょく見つからず。しょぼーん。まぁネジが緩み気味だったのに対策せず使ってたオレが悪いねんけど。
クトー捜索の経緯上、ケンネベツ川に入ることとなる。地形図を見る限りは中盤がけっこうなゴルジュっぽいので滝とかもありそう。単独だしロープももってないし…ちょっと躊躇はあったが、まぁたぶん埋まってることでしょう。最悪、時間は早いので登り返せばいいし。足アイゼン持ってるしね。
というわけでルンゼ滑走へ。序盤、雪は豊富で快適滑走。傾斜は所により50度オーバーか、まぁ攻めて入る状況じゃないので転ばないの第一に滑っていく。ゴルジュに入ってすぐぐらいの「のど」のようになったところだけ雪が割れ、流れが出ていたがまだ十分余裕を持って巻いて滑れた。鹿の骨ぽいものが流れの下に見えた。
意外と早く上から流れが出たのでどうなることやらと思ったが、このあとはほとんど割れているところはなかった。一箇所、沢なのに滝に向かって雪庇が出てたところはちょっと危なかったけど…。
標高500mを割ると傾斜は落ち、沢も広がり楽ちんムード。最後、右の尾根へトラバースして入り、支流を渡って元いた尾根へ無事戻れた。 初見で入ったルンゼだったがまぁ楽しめてよかった。しかしやっぱりこれって結果オーライだよなぁ…せめてロープぐらいは持っていかんと。
またもや午前中下山のため、午後はばーちゃんところでたっぷり2時間以上話し込む…というか一方的にお話を伺う。この日で羅臼を離れるので挨拶ついでに。 その後斜里へ移動し、斜里の道の駅で車泊。ちなみにロケーションが街中なのであまり車泊には向かないですこの道の駅。
・3/22(火) 海別岳 快晴 単独
6:15入山-9:20ニセ海別-9:30海別山頂-10:50下山
朝から快晴。連休に大量入山したと思われるトレースを追って山へ。海別川のダムまでは傾斜がゆるい、そこからはやや傾斜が上がるがしばらく樹林が濃い。針葉樹の樹林帯を抜けると海別がよく見える。その一方、雪は堅くなってくる。
スキーのトレースだけでなく、スノーモービルと思われるトレースもある。ちょうどいいんだろなこの山なんかは。木がほとんどないだだっ広い斜面で、視界がないと迷いそうな感じ。
この日はいい天気だったから問題なかったけど。昨日、クトーを片方落っことしたのでクトーが要るような斜面が出てこないかビビッてたが、けっきょくスキーを脱がなくてもなんとかなった。
ニセ海別から海別山頂までは遠そうに見えたが、けっきょく10分かからず。 山頂からはオホーツク海、太平洋が見渡せて知床半島が二つの海の間に突き出してることがよくわかる。
下りはニセ海別下までトラバースしてからさー滑るぞ!と思ったがガリガリで面白くなーい。しばらく罰ゲームのような下りが続く。樹林が出てきたあたりからちょっとマシになるも、楽しめるほどではない。けっきょく雪が柔らかくなったあたりからは樹林が濃く、傾斜がゆるくなってきたのでやはり楽しめず。もうちょっとシーズン進んでから来た方がいいのかなぁ、という印象。
けっこう早く下山できたので、暇つぶしに屈斜路湖の温泉に入り、美幌峠経由で女満別へ向かう。 最終羽田行きで帰京。
感想:3連休、羅臼は閑散としてた。観光客らしい人はほとんど見かけなかった。震災の影響なさそうな北海道だったが観光地としては被害大なんだろな。あとはガソリンとなぜか米が品薄だった。
山は、去年の2月と比べると雪が硬くなくてよかったが、いかんせん強風には勝てない。まぁこれはタイミングなのかも。今度は知床岬までの縦走に行ってみたい。O川さん、M平さん、K池さん、今度は行きましょうね!
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