○期間:2022.9.24(土)~25(日)
○メンバー: L Y田、K村、クロスケ、N島(記)
○タイムスタンプ
9月24日 7時30分駐車場発→11時、下部ゴルジュ高巻き終了→16時上部ゴルジュ高巻き終了→17時00分二俣幕
9月25日 6時00分幕場発→11時開津谷方面との分岐となる二俣→12時1591ピーク→1330大笠山→1630駐車場
○報告
日頃の行いってのは、あるもんである。
シルバーウィーク後半の三連休、周知のとおり天気予報は極悪の一言に尽きた。転進も頭をかすめたが、粘りに粘って、金曜日一日を捨ててアプローチに費やし、天候が回復する可能性がある土日で遡行する計画に賭けることとし、金曜日朝八王子発、昼飯を高山市内で蕎麦、そして光ミュージアム見学を経由して上平道の駅ささらで宴会し前夜泊、というムーブで、我々は、大畠谷に接近した。結果、この計画が当たり、良い意味で、天気予報に裏切られることになったのである。これを日ごろの行いと言わずして何と言おう。
1日目
未明、3時から6時までが降雨ピークとの予報で覚悟していたのだが、意外にもほぼ降らなかった。だが道の駅から見下ろす庄川は相変わらず白濁している。7時、桂湖登山口到着。7時30分、小屋脇から入渓。若干の濁りがある。結局この日は正午過ぎまで、ちょろちょろと降ったりやんだりを繰り返したのだが、遡行に影響をきたすことはなく、そして、午後には見事に晴れたのであった。
しばらく河原を歩きゴルジュらしい地形を超え、最初の核心、2段40mは右手から巻きに入る。当初明瞭な踏み跡はやがて消え、いったん間違って10m滝の手前におりそうになり、もう一度高巻きに復帰し、N島が先行してルーファイを探っているうちに、数匹の蜂に遭遇し、6か所ほど刺される。著しく痛むが、遡行に影響をきたすほどではない。懸垂で沢に戻り、少し休んで再出発する。
大谷を分け、やがて8mCS滝は定石どおり右から巻き、残置支点で斜め懸垂。続く2段の滝は、1段目は容易だが2段目が厳しい。K池さんが左から突破してくれる。3段目はシャワーとなり水圧にあらがって登る。
しばらく穏やかになったのち、最後の核心2段40m滝が現れる。左手のルンゼから巻く?という情報もあったが、どう見ても右でしょう。ということで右に入り、50m一本でぎりぎり足りない懸垂を経て(お助けザイルを足して処理)、さらに進むと目の前に待ち焦がれた壁が現れ、一同、息をのんだ。
雪国特有の磨き抜かれた壁は、左手に薄衣のような、白く繊細な滝をかけ、やっと晴れた空の下に静かに、荘厳に、美しく、聳えていた。これが、あの壁である。長らく、これを見たい、これを登りたいと、願いに願い、焦がれ続けてきたあの壁が目の前にある。それは、想像を超える美しさで、いま、我々を見つめ返していた。
幕場は平らで広く、薪も豊富である。快適な夜を過ごした。
2日目
4時起床、6時発。早速壁に取り付く。
1ピッチ目、Y田さんリード。ルンゼを上がってトラバース。
2ピッチ目、K村さんリード。トラバースを継続しさらにルンゼへ。
3ピッチ目、N島リード。ルンゼ脇を直上。
4ピッチ目、K池さんリード。ルンゼを離れ、灌木で切る。
5ピッチ目、N島リード。藪。
その後ザイルを外し、緩い斜面をトラバースして、灌木帯を沢床めがけて下降し、1ピッチ懸垂して沢床へ。ばっちり、滝の落ち口に出た。
そこから先は打って変わって楽園のような穏やかな渓相、御神楽のグリーンタフに似た、いや、あるいは同じものか?緑の岩盤が美しい。滝はどれもノーザイルで登れる。あまりの暑さに、開津谷への下降も一瞬頭をよぎったが、何せ明日は平日、普通に仕事である。東京への帰路も長い。あきらめ、そのまま藪を漕いで稜線、さらに藪を漕いで1591ピークへ、そして大笠山の山頂へと達する。
我々のオバタキタンは終わった。
補足その1 光ミュージアムについて知りたい方は我々四人のいずれかに連絡されたい。語ることはやまほどある。
補足その2 N島の蜂刺されであるが、受傷直後、腕を食いちぎられるような痛み→少しおさまって、それでも耐え難い痛みと腫れ(ポイズンリムーバー使用、ロキソニン服用)→3時間後には、まあ耐えられるくらいの痛み→4時間後、強いかゆみ→翌日朝、そこそこのかゆみ(腫れは変わらず)。という経過をたどり、帰宅し、月曜日の朝(受傷40時間後くらい)に、飲むムヒを服用したところ、劇的な回復を見た。蜂の種類は不明。沢屋各位におかれては、飲むムヒ必携である。9月は蜂害が多い。十分に注意されたい。
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