【メンバー】 L クロスケ(記)、ビッグワン、カネゴン、コタロー
【タイムスタンプ】
7/29 7:30 上高地〜 13:30 奥又白 偵察 15:30乾杯 テント泊
5/12 4:30 奥又白 ~ 8:30 北壁取り付き ~ 11:30前穂高岳山頂~ 16:30 上高地
2年前の春、穂高岳山荘で見た写真集の「奥又白池」
池に映り込む山々の美しさに、穂高にはまだこんな場所があるのかと、山域の深さに改めて驚いた。
一緒にきていた先輩に聞くと、前穂高岳登攀のベース場所と言うではないか。
これはぜひとも行きたい。と、計画するも昨年は雨で流れ、今年改めてメンバー増大して実施に至った。
今回の目的の半分以上は奥又白池での乾杯である。
前穂高岳の登攀は全装になる上、アルパインに不慣れなメンバーもいるため、ルートは北壁とした。
上高地からのいつものアプローチ。
暑いしか出てこないメンバーたち。
クロスケは天候に恵まれすぎて、八ツ峰チンネ、滝谷と3週連続の北ア。カネゴンも滝谷、前穂と連登。
今回は全装だから軽量化したとはいえ、連日の暑さもあり疲れは抜けきっていない…どうせアプローチだけ、ということでのんびり行くことにする。
道草を食いまくる我々は、
「明神館でぶどう酒が売ってるんだよ〜」
と、持っていたボトルに購入。宴会が一層楽しみになる。
(500mlで1100円。ワインではなくぶどう酒という感じ。コップ1杯200円で試飲もできるのでお試しあれ)
「徳沢でアイスはマストでしょ」
と、みちくさ食堂に入ると「コーラソフト誕生!」の文字。
頼むと、カップのソフトクリームにミニコーラ缶がついてくる。(コーラソフトもコーヒーソフトも500円。ここにきたら季節問わずアイスを食べるべし)
ついでにぶどう酒にあいそうなスモークチーズを購入し、宴会がより一層楽しみになる。
ゲリラ豪雨を警戒して14時前には着いていたい。と移動再開。
初めて渡る新村橋だー!
ワクワクして向かうと、橋は、、、、なかった。
現在架け替え工事中。
5分歩けば別の橋があるのだが、渡渉を決意。
滑るし冷たい…クロスケは岸から5m以上離れられず結局迂回。時間がかかった。
気を取り直して登山道。
中畠新道の分岐以降は、薮漕ぎ道だった。慌てて長袖に着替える。道端のブルーベリーが美味しそうだった。
コルに出るとパッと目の前に広がる奥又白池。
こんな場所に突然池があるとは!!
なんて最高のテン場なのだろうか。前穂の山頂も北尾根もよく見える絶景の地。噂に聞いた、いい場所がそこにはあった。
水場付近に設営し、ビールを冷やす時間を確保するため翌日の偵察へ。
奥又尾根を詰めて、雪渓の状態を眺める。
まぁ雪渓割れてますねぇと話してると、
雷がゴロゴロいうし、黒い雲がわいてきたので短めに切りあげて、15時半には無事乾杯。
ビール、日本酒、焼酎、ぶどう酒(途中からウイスキーも参戦)して、ここは居酒屋か?という宴会が開宴。
なんといっても今回の山行の目的は半分がここでの乾杯である。持ち寄りのつまみにも力が入る。
全装登攀だから軽量化も考えたが、宴会なら飯もちゃんと食べたい。食事に定評があるカネゴンの作る夕食は、パスタとチキンラーメンで作るパエリア風。トマトの酸味が暑さにヨレた身体に染み渡る。
偶然にもこの日は、会のN友さんも前穂登攀に来ていた。
遠くで登っている姿を眺めていたが、ハーケンを打ち込む甲高いハンマーの音、大きな落石に注意する声。飲んでる場合か?と心配していたら、敗退してきて奥又白池に戻ってきた。
2人増えて宴会は続行され、星空も眺め宴はたけなわ。
山の熱いトークから、彼女の惚気話、山岳会についての意見交換などなど、話題が途切れない。
20時半まで続き、21時には翌日の登攀に備えて就寝。
夜は涼しく、下界での寝苦しさもない。
翌朝は3時起床、4時半出発。
雪渓の状態も悪いし、ガレ場の移動も多いので明るくなってから移動とした。
雪渓の状態はあまりよくなく、前爪で慎重にトラバース。
C沢では何度か雪渓を降りたり登ったり。
B沢を詰め切って、取り付きに着くまでに4時間もかかってしまった。
今回は4人なので2人パーティーに分かれ同ルートを登攀する。
チーム編成は
クロスケ&カネゴン、ビッグワン&コタロー
クロスケチームが先行させてもらった。
北壁ルート
1P Ⅳ 40m カネゴン(トポの1~1.5P)
脆いのでロープドラッグで大量落石。逃げ場がないので辛い取り付き。
2P Ⅳ+ クロスケ 40m(トポの1.5~3P)
凹角からのチムニー。全装だとチムニーに入れなくて辛い。
トポにはⅢと書いてあるが、もう少し難しいと思うしお助け多数。第一テラスから先は登れそうな場所がたくさんありルートが悩ましい。
3P Ⅳ 45m カネゴン
凹角から左上してリッジに出る。ここで北壁ルートは終了。日が当たると暑い。
4P Ⅳ 25m クロスケ
北壁終了後は2~3級と書いてあるが、え?って感じ。残置多数だし、ガバだけど、垂直に近い&重荷でしんどい。そして無駄に綺麗な終了点で終了。ハングを左上して越える場所がやっかい。
5P Ⅲ 25m カネゴン
直登できそうな綺麗なボルトラインの壁があったものの、全装にはしんどかったので右上して弱点をつく。落石多し。
このあとはコンテ40mほどで山頂。
太陽から逃げ場のない前穂山頂で後続の2人を待つこと1時間。
ここでは水が汲めないため、テン場が1.5L水を荷上げてきたが、底をつきそうだ…
この日のために用意したトランシーバーで様子を伺うも返答なし。持ってきた意味、あったのかこれ?と思わなくもない装備。
聞こえてるかわかんないけど煽るだけ煽ってたら、なんとか干上がる前に全員登頂。
これ以上ここにいたら熱中症人になってしまう…と、記念撮影をしてそそくさと下山。
重太郎新道からの下山は長いが、ほぼ河童橋に出られるのがいい。最終バスが近いがまだまだ上高地は賑わっていた。浴びるように水を飲んでタクシーに乗り込む。
思ったより全体的に時間がかかったが、風呂も飯も寄って帰れたので、よき宴会&登攀山行だったと言えるだろう。
上高地⇆さわんど間を初めてタクシー移動したが、待つ必要もないし、直行するから早いし、当たり前ながらいいことずくしだ。
4人という軽量化的にはあまりメリットを感じない人数での山行だったが、こういう宴会山行もたまには悪くない。クロスケはお酒が飲めない、というのが強いて言うなら残念なポイントか。
それにしてもこんなに好天に恵まれる7月。昨年がひどかっただけに、行きたい山に行けるというのはなんて幸せで恵まれたことなのか。今のうちに行けるだけ行きたいものである。
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