大井川東俣滝ノ沢 2024/07/19~21

沢登り


メンバー N友(L)、N島(記)

タイムスタンプ

初日 0715駐車場→0750奈良田発電所→1430稜線→1630池ノ沢池、幕

2日目 0520発→0700大井川東俣→0900滝ノ沢出合→1420沢復帰(幕場適地)→1500幕地、2600m二俣手前

3日目 0540発→0800稜線→1000大門沢小屋にて食事→1230奈良田発電所→車

大井川東俣滝ノ沢は知っていた。あの辺りに興味があって、地形図はずっと眺めていた。だが、混みあった等高線に大きな滝マークが連続している。ま、厳しそうよね。と思っていた。ところが、N友さんがこれに興味があるという。そんなら、行くか。ということで、我々は奈良田に向かった。

・初日

うむ。長い。長すぎる。奈良田から農鳥岳稜線まで大門沢の登山道を辿る、標高差はちょうど2000m。今回は、3日かけて、2000m登り、800m下り、そこからまた1000m遡行して、2000m下る。という、楽しいプランなのだが、しょっぱなの大門沢から稜線までの急登には、二人とも、大いにばて、大いにめげた。やっとこさ広河内岳に上がり、池ノ沢を下降する。ところどころ赤テープや踏み跡があり、また、なんぴとかが幕営した跡(釜など)もあった。池ノ沢池は静かで美しく、幕営に適した。N友さん持参のビールでのどを潤し、焚火も盛大に起こして、よい夜を過ごした。

・2日目

池ノ沢をさらに下降し、大井川東俣に出る。結構な水量で、何度か結構本気な渡渉をした。いい加減疲れたころに滝ノ沢出合に着く。雨がちょろちょろ降っているが、登攀に支障はない。すぐに最初の60m大滝を迎える。ザイルを3ピッチ出して左のルンゼを登って巻く。容易に沢床に戻れるのだが、下降中にすぐ次の滝が見えているので、左手からの巻を継続し、一度沢に戻る。そこから、いくつかの10m程度の滝を越える。一か所大き目の滝を左壁から、容易だが念のためザイルを出して登る。その次の滝はどうみても50mはあろう、到底登攀不能に見え、これも左から巻く…のだが、巻きながら、もしかしてこれは、すでに、大連瀑帯、登山大系でも、関東周辺の沢でも「右手を、稜線まで上げて高巻き続ける」とある、あの大連瀑帯に入り込んでいるのではないか、という疑惑が生じた。

落ち着いたところで沢をのぞき込むと、間違いなく、沢は大連瀑帯になっている。あらま。もう、左手から入っちゃったんだけど。しかし地形からは、 どう見てもここからでも巻けそうだし、地形図をみると、むしろ左の方がいいんじゃないか。適度な獣道もある。というわけで、我々は左巻きを継続した。ただ、登山大系のいうように稜上までは上がらず、地味に山腹をトラバースし、ルンゼを渡ることを繰り返し、じりじりと水平に移動したのだ(一か所懸垂)。

これが功を奏した。先行するN友さんが興奮して何か叫んでいる。何かと思うと、目の前に巨瀑が見え、どうやら容易に近づけそうなのである。滝の直下に出る。優に50mはあろう美しい滝で、まあ、登攀は、不可能ではなさそうだ。が、これを登ったところでさらに連瀑が続くことが想定される。我々は登攀はしないことにし、しばし、この、あまり多くの人が直下まで来たことがないであろう滝に見入った。

再びこれを左から巻く。岩壁があり、今度はいよいよ稜上まで高度を上げる。そろそろ連瀑帯も終わったかいな、と思って下を見ると、沢は穏やかな表情を見せていた。終わったのだ。「小川のような流れ」(by 関東周辺の沢)っつうには、ちょい水量が多い。それでも、いままでの豪快さはもはやない。懸垂なく沢床に戻る。降りた草地は天国のようで、もう、ここで幕営しちゃいたい誘惑にかられるが、頑張って進む。30分ほどして、ちょうど2600m二俣のちょい手前に良い幕場を得た。

農鳥の稜線がはるかに、美しくのぞまれる。焚火もよく燃えた。

3日目焚火を起こして朝食を作る。もう悪場はないので、心穏やかだ。N友さんは目の上をぶよに噛まれ、片目があかなくなっていた。二俣を左に入るとすぐハイマツの藪漕ぎになる。その後、ハイマツやらダケカンバやらの藪漕ぎを続けるが、困難ではない。すぐガレ場にでて、そこから順当に高度を上げ、稜線に出た。農鳥岳まで徒歩10分であった。

しばし休憩して、下降。あれほど登りがつらかった大門沢の登山道も、下降なら大したことはない。大門沢の小屋で食事をとり、酷暑の奈良田に降りた。

感想。

良い沢だった。いや、良い山登りだった、といった方が正しい。大滝は登攀不能なものが多かったが、深い山の懐で、現場を見て判断しながら遡行できたので、大変に満足した。N友さん、名チョイスでした。ありがとうございます。

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