メンバー:L Y田、O川、KI(記)
12/7 美濃戸口6:30~美濃戸山荘7:30~行者小屋9:30~テント設営等~行者小屋出発10:45~赤岳山頂13:00~行者小屋14:00
12/8 行者小屋6:30~下部岩壁7:30~(1P2.5h)~トップアウト13:00~行者小屋14:00~美濃戸口17:00
1日目
初日は、実践に勝る練習無しという事で、行者小屋~地蔵尾根~赤岳山頂~文三郎尾根~行者小屋を歩いた。
行者小屋に着いた9:30ごろの気温がマイナス10度と非常に寒く、テントを立てている間に手が凍てつく寒さ。メンバーの手がかじかみ、この先、山頂までたどり着けるのか、と少し不安を感じる。
地蔵尾根を登り始めて森林限界を超えたあたりから、少し風が強くなる。雪が降っているので、軽い吹雪のような状態。そして地蔵の頭に付いたころにはより一層強くなる。目を保護するものを欲してゴーグルを出そうとしたが、曇るのでサングラスの方がおススメと聞き、地蔵の頭でサングラスを装着。サングラスも結局曇り、寒さが堪える。バラクラバやサングラスで保護できてない頬が気付かぬうちに凍傷になることがあり、たまに擦るようアドバイスをもらい実践、そのお陰で凍傷は起きなかった。
山頂にたどり着くころにはさらに風が強くなり、視界が悪くなる。それでも無事、山頂までたどり着くことが出来た。山頂では写真を撮ってピークハントの証拠を残し、すぐに下山開始。誰も転倒することなく、行者小屋まで無事下山できた。狙い通り、アイゼンワークの実践を通した練習が出来た。
赤岳の山頂にて
2日目
起床は4時にもかかわらず、湯沸かし&朝食づくりに時間を要し、テント撤収なしにもかかわらず、
出発まで2.5時間も要した。
中山尾根の取り付きまでは約1時間、のっぺりとした尾根を上がった。尾根が分かりやすくなる手前で黄色テープを発見、逆にのっぺりした尾根では道を外していた可能性がある。そもそもしっかりした道が付いているのかも分からんが。
そしてついに下部岩壁。O川さんがリード、かなり粘っても突破できず、Y田さんに交代。Y田さんが登り始めるや、このルートは難しすぎるので横のルンゼから登ることを決定。そして再びO川さんがリード。Y田さんは手が寒すぎるとビレイジャケットに手を突っ込みっぱなし。ビレイの時間が長く、また、ビレイジャケットとか持ってない(そもそも存在を知らなかった)ので、辛い。ふと時計を見ると、取り付きから2時間経過。夏山でも1か所に2時間停滞した経験がない中で、強風の雪山で2時間以上の停滞はこたえた。
上部岩壁の1P
そしてついに登攀開始。と思ったら5手目ぐらいで岩がはがれて滑落。ロープがあるとはいえ、フリーではないのに不意落ちしたのは完全に実力不足。そしてすぐに再登攀し、無事登りきる。その後、Y田さんが難なくのぼり、そのまま2PはY田さんがリード。
上部岩壁もO川さんがリード。そして止まってる時間が長く、苦戦しているのかなとロープを引いて少し張り気味にした数秒後にテンションがかかる。O川さんがとっさにヌンチャクを掴んだこと、ロープが張り気味だったことが功を奏して、怪我無く着地。チムニーを両足、背中、左腕で突っ張りながら登攀中、左手で上部のホールドを掴んだ際、背中側のフリクションが抜けて落ちたとのこと。その場所でピッチを切ることとし、2P目はY田さんがリードし無事抜けた。
最後の岩場はY田さんがリード、岩稜上のビレイ点(風もしのげる、明瞭な場所)からはトラバースして縦走路に抜けた。
感想
ぶなで初めての雪山。これまでの雪山歴はテン泊3回、日帰りメイン、一般登山道のみ(ロープやハーネスは雪山で未経験)。赤岳は雪山で最初に目標にしていた山でもあり、初日のルートは経験あり。
初日は久々のアイゼンではあったが、赤岳山頂を踏む周回の縦走路で足慣らしが出来た。ただ、今までの雪山で一番風が強く、特に目が辛かった。
2日目は初の雪稜。そして初の登攀でいきなり滑落してしまった。ロープがあるからと油断していたわけでもなく、また、多少は登れるだろうと舐めてかかったわけでもなく、完全な実力不足。アイゼンを付けての登攀、分厚い手袋やピッケルを用いての登攀は登りづらいことをより一層意識し、一手一手、一歩一歩焦らずに確実に登攀するように心がけていく。
最後に、せっかく中山尾根を選択したにもかかわらず、Y田さんに”オーバーグレードでルート選択ミス”と言わせてしまったのは大変申し訳ない。今後は期待を裏切らないよう、また、同じ失敗を繰り返さないように気を引き締めつつ、雪山を楽しみたい。