2012年 6月23・24日
場所:谷川 南稜・中央稜
参加者:CL A山・SL N藤・K池・H部・N野・T塚・T橋・M田
今回は4名のメンバーがめでたく谷川デビューしました。
H部・T塚・T橋・M田
6月23日(土)
<烏帽子奥壁南稜(N野・H部P)>
朝起きると青空が見えているものの霧雨がパラついている。若干の不安を抱えつつ出発すると、烏帽子スラブのトラバースで南稜テラスからどんどん人が下りてくる。南稜はびしょ濡れで登れないとの事。13クライマーも匙を投げたらしい。
おいおい、マジかよ・・・と思いながらテラスまで行くとN藤さんが一言
「よし、行こう」。
そう、そうですよね!安全第一ではあるが、とにかく行って取付いてみる。これが大事かなと思った。
壁は濡れているところもあれば乾いている所もあるという感じでなんとか登れたが、最後の核心ピッチはびしょ濡れ。(袖口から水が入ってきます)
フォローだったのでなんとかA0しないで抜けたが、結構ビビりました。
帰りは6ルンゼから懸垂下降。連続して降りる経験は少ないため戸惑ったが、N野さんとあれこれ工夫しながら大きなトラブル無しに取付きまで降りることができました。
行きとはうってかわって乾いたテールリッジ~雪渓を歩いて17時過ぎに一ノ倉沢出合に帰還。初の本ちゃんデビューをまずまずの形で迎えられた。
もっと行程を早められたらとか、反省点は色々とあります。もう一度行ったら、もっと上手く色々とこなせるかもしれません。
それでも、取り付く前の重苦しい緊張感・終了点から見た明るく開けた世界は忘れられません。
今度は、国境稜線まで歩きたい!
【記:H部】
<烏帽子奥壁南稜(N藤・T塚P)>
本チャンプロジェクト、烏帽子沢奥壁南稜デビューさせていただきました。
A山さんはじめ、皆さん、お世話になりました。
N藤さん、昨年9月に「ぶなの会」に誘ってくださり、4月以降、稽古をつけてくださったことを本当に感謝しています。ありがとうございます。
アプローチの雪渓歩きも、テールリッジを登るのも楽しかったです。
N藤さんリードでスタートした、初めての谷川本チャン。全体として、とても快適な登りでした。
3P目の草付きを歩く頃には、天気もよくなってきて、岩もよく乾いていました。眼下には、切れ落ちた岩稜、雪渓が広がり、一ノ倉沢の出合広場までも見渡すことのできる絶景。圧巻は滝沢スラブ!『神々の山嶺』の羽生が登った「鬼スラ」はココ、というN藤さんの説明を聞いて、あれは冬だった、と思わずため息。
最後まで快適か、と思いきや。。最終ピッチをN藤さんがリード、後に続いて岩をアンダー持ちしたら、左手を伝って袖口に水が流れ込んできた!え~っ!と右手を出すとどこも水浸し、焦ったとたんに、左足がホールドからすべりそうに。ここはA0で登ってしまいました(><)後は岩を乗り越して終了。N藤さんと握手!
雄大な一ノ倉沢正面の全景が心に迫ってきて、その余韻が今もあります。ライフワークの「山」の締めくくりにアルパインを、と願ってきたことが実現したことの喜びが、さざなみのように寄せています。
アルパインとフリーは似て非なるもの!フリーも大好きなのですが、フリーでは満たされなかった山への思いが、この日、一気に満たされていく幸せを感じました。 【記:T塚】
6月24日(日)
<烏帽子奥壁南稜(A山・M田P)>
とうとうやってきた。谷川デビュー
信じられないほどの青空。そして奥にはたくさんの勇者たちの命を飲み込んだ谷が待っている。
パートナーは師匠雨山ガス秀コーチ。南稜をフリーオールリードの指令が出る。
雪渓、テールリッジ、中央稜テラスを通り南稜テラスへのトラバースを通過中、頭上から『落!落!落!-』の叫び声。見上げると30Lザックほどの巨大な石が落ちてきた。中央カンテ取り付き付近で砕け散り、破片が『ぶーん!!』という音と共にすごいスピードで自分の方へ。怖くて動けなかった。いきなりの手荒い歓迎に心臓バクバク。あんなの当たっちゃ即死である。急いで通過し、南稜テラスへ。
南稜ルート:待機者でテラスは満員御礼。自分達は5番目待ちのスタートとなり、のんびりと待つ。
雨山コーチは晴天慣れしてないのか、暑いとボヤいていたが、虫少なく爽やか。
1P目:ボルトに従い左上、右上と行き凹角のチムニーへ。ランナーをかけ過ぎた上にロープ屈曲し体があがらない。
チムニー側へ行くと更に屈曲してしまう。墜ちる。怖い。
どうしたものか悩んでいると、上からパラパラと砂が落ちてき、またも『落!落!』の声。
慌てて壁に寄るも、不幸にも落下物は私のヘルメットの上で当たって砕けちった。
本来なら即死。

デビューの夢果たせず私の名はマチガ沢の慰霊碑に刻まれるとこだった……がしかし、落ちてきたのは草つきの土の塊。
砂被り、バツゲームのような状態。笑いが込み上げる。
2P目出だしランナウトし、『ちゃいまっせ~!』と指摘され軌道修正。
その後、各ピッチ順調に進み最終ピッチを迎える。
雨山鬼コーチより『A0禁止です。ここが核心。がんばって行ってください!』と激が飛ぶ。
ガバらしきところは濡れていたり砂が薄く被りしっかりと掴めず沢の登攀のようだ。
じわじわと慎重に体を上げる。ランナーにかける度にビレイする鬼コーチより『よし!がんば!』の声。短い壁だったのでそれほど怖さ感じず乗り越せた。
そしてA山さんを無事迎い入れ、おめでとう☆とがっちり握手を交わし感激。
半年前、『誰かマルチのロープワークを教えてください』と、ぶなメールを流し、N島Nさんが手を挙げてくれたのを皮切りに、S原さん、よっさん、N藤さん、A山さん、いろんな方にお世話になり今日の登攀に至りました。本当に感謝です。やっとスタートラインに立てた気がいたします。引き続き気を引き締めてがんばります。
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