ルート:奥穂高岳コブ尾根
メンバー:M藤L、Y本
8月11日
コブ尾根取付き偵察。思ったより雪渓が残っていた。2箇所のみ取付き可能と思われるポイントを確認し撤収。
8月13日
岳沢発4時45分時~コブ尾根取付き5時45分。
2日前の偵察時に確認した取付き点のうち既に1箇所は猛暑のためか既に危険な状態になっている。残る箇所も雪渓の厚みこそあるが辛うじて尾根に繋がっている状態。シュルンドは深く奥からザバザバと水音がしており怖い。前日の明神岳主稜の明るさとは打って変わって陰惨な印象である。ネットで見た人の山行記録ではこの取付きは「ニセ入り口」とあった。
まずM藤が空身で取り付き、カムでセルフを取ったあとザックを荷揚げする。一段上のレッジに上がり残置ハーケンに一枚打ち足して確保支点としてY本さんをビレー。そのままY本さんがクラック沿いを少し直上し右へトラバース後にガラガラのルンゼへ這い上がる(雪渓からの取付きで時間を要し反省。)。
「ニセ入り口」と記録のあっただけのことはあり、ルンゼ内は浮石だらけで非常に悪い。暫く慎重に登ると、やがて安定した草付ルンゼになる。ハイマツ帯と草付ルンゼを交互に抜けてコブ尾根稜線に上がる。稜線上には一箇所幕営適地があるが、やはり陰惨な印象で「幕営」というより「墓営」といった趣きである。
コブの基部まで来てロープを出す。いよいよ核心で緊張感が増す。
凹角を直上し上部でカムを決めて乗越したところにあったピナクルでピッチを切る。2、3ピッチ目と繋ぎコブの頂上へあがる。一番上の大きなピナクルにある懸垂支点を利用したくなるが、距離を考慮して、先にある中段の支点を選択して下降。これが正解で鞍部にドンピシャで降りられた。
ここからコブ尾根の頭までが遠い。。ガスで視界も悪くなってきており慎重なルートファインディングを心掛けて進み、13時50分コブ尾根の頭着。
稜線上から定時(14時)の無線交信を試みるも繋がらず(無線、携帯以外の連絡手段を確認しなかったことを反省。)。
天狗のコルから超ザレザレの天狗沢を下るころにはヘロヘロとなり、岳沢小屋に16時50分着。
体力的にも精神的にも一杯でしたが、新人同士の大変意義のある貴重な山行となりました。
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