メンバー:T塚、S原(会員外)
マルチのNPルートは、今年1月の海金剛「スーパーレイン」に続いて「調和の幻想」で2回目。グレードは二つとも10aですが「調和の幻想」の方が1~2段上と感じました。
そして初めてのミスガキクラックに感動!「調和の幻想」は、ダイナミックでとても美しいルートでした。クラックのいろいろな要素が凝縮していて楽しい、なんて言えるのは、終わった今だから。登攀中は緊張の連続でした。
下調べをして行ったにもかかわらず、道がわかりにくく迷ってしまいましたが、末端壁に行くというS原さんの顔見知りのクライマーに出会い、無事取り付きに到着。
既に1パーティーが1P目を登攀中、その後に1P目だけアップで登りたいという幼児連れの女性二人(3歳くらい?岩場に慣れている様子)がいたので先に登ってもらうことにして、準備をしているとガイドパーティも到着。
1P目:S原リード
最初の階段状を登り、オフウイドゥスからハンドクラック。右のフレークを使って上手く登っていく。最後のテラスに乗り越す手前が核心だった。
2P目:T塚リード
出だしに4キャメを決めてスタート。ややかぶっていて緊張する。レイバックで乗り越しスラブを直上。右上にビレイポイントが見え、そこを目指してしまった。S原さんが登り始めてから、左トラバースしてビレイだったと気づいたが、もう遅く、3P目はそこからスタートすることになってしまった。
3P目:S原リード
ビレイポイントを間違えたのでロープの流れが悪くなってすみません。難しくはないがプロテクションはよくない。核心は中間部のトラバース。重心の入れ替えがバランシー。
4P目:T塚リード
木登りから、スラブへ乗り移って右トラバース後は、ポケット、フレークを繋いで直上。プロテクションが取れず結構ランナウトするので、怖いと思う気持ちに打ち勝つことがポイントだった。
5P目:S原リード
このルートの核心。長い大フレーク&オフウイドゥスが上に伸びている。(セカンドのT塚はカム類を4P目終了点にデポ。(フレーク&OWをズリズリ登る時に邪魔になるため)出だしに4キャメ、半身を入れて少し上がったところで6キャメを決め、後は登るほどにランナウト!リードはもちろんだが、セカンドだって落ちたくはない。レストしたくなる辺りにあるダイクに左足を置いてレスト。後はレイバックで一気に登る。登りきった所がテラスになっていてホッと一息。
いよいよフレアーしたオフウイドゥス。S原さんは左半身を入れて右向きで登ったとのこと。T塚は全身が入ってしまうので、右向き両手で右壁、背中で左壁を押し、左足は奥へ突っ込み、右足はヒール&トゥで登った。登攀終了!
途中に木も多く、ロープが引っかかる怖れがあるので、5回の懸垂下降で取り付きに戻った。
ナチプロのルートは岩が自然のままで、岩そのものの美しさが素晴らしい。ミズガキクラックは、森の奥にある特別な岩の空間のようです。そこを登らせてもらった、という心地よい充実感があります。
「スーパーレイン」を誘っていただいた時も、今回の「調和の幻想」も、初めは行ける自信がなく、不安がありました。でも、計画が1回雨で流れると(スーパーレインも順延になりました)、クライミングと下調べの準備期間が増え、少し心にゆとりが生まれ、本番に臨むことができました。また、N藤さんと小川山でクラック登ってきた、という経験があればこそ、の「調和の幻想」でした。夏~秋のシーズンの1つの成果となったと感じています。
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