◆S藤H明
荒川出合までは「夢のエキスプレス」に乗って僅か20分で到着。余った時間で「夢ブラ」を偵察、溜め息をつきながらテントに戻る。夜はニンニク鍋で宴会。翌朝、夜明けとともに取り付く。
<1ピッチ M恵 Ⅳ+50m>
やや寝てるけど、朝一番の氷は緊張する。ハング下でビレイ。氷を裏から透かして向こうを見る格好になる。
<2ピッチ H明 Ⅵ 50m >
ぶっ立ちのドバーチカル。氷柱の裏から表に出るところが、空中飛び出し感があって気持ちいい。ハングすらしていて、こりゃーかなりキツイ。
<3ビッチ H明 Ⅴ+50m>
極めてバランシーなトラバースをしてから左上・・2ピッチ同様、ドバーチカルを辛抱して登る。
<4ピッチ M恵 Ⅱ 50m>
氷の回廊を歩く感じだが滑走路みたいなもんだからノーザイルで滑ったら離陸する。
下降は、我ながらお上手なルーファイで、取り付きにピッタリと着地する。
◆S口M恵
ヒロケントポには2ピッチ目がⅥ級と書いてあった。右にⅠがあるのは4か6か、いつも迷うが、やはり6の方だ。こんなん登れるのか~??当然1ピッチ目と4ピッチ目が私担当である。立川山岳会女子部に先に行ってもらい、私は次に続く。前日取り付き偵察の時氷が硬いと感じたが、やはり硬い。1ピッチ目はⅣではあるが、所々立っている。時々下からそこらでスクリューを取れとの声がかかる。は~いと返事をしながらなるべく上に取るように氷を探る。氷が硬いためスクリューが良く効いてその点は安心だった。1ピッチ目終了点はつららの裏だ。その上頭の上にも巨大なつららが2本ぶらさがっている。落ちてきたらどうしよう。でも移動できない。やだな~。
2ピッチ目、つららの裏から表に出て登るためH明さんの姿はすぐに見えなくなる。ロープが意思を持っているように行ったり来たりする。苦労してるんだな。50mでそこまで行けるかと立川女子部に聞いている声がした。なんとかロープは足りるらしい。良かった~。しばらくしてからの解除の声は元気で安心した。私は所詮フォロー。Ⅵ(ろく)級といっても上にロープさえあればこっちのものだ。なるべく疲れないよう引っ掛けを多用した。
3ピッチ目も左上していくのでトップの姿は見えない。今度はロープが濡れて凍り、棒になってしまった。ロープがスムーズに流れない。泣きたくなるが、引いたり押したりしてなんとかこなす。そのうえ、このピッチ、氷の質が絶悪だった。バイルを刺してもパラパラと落ちるばかりであてにならない。よくこんなところ、リードするなぁ~と無責任に思う。マジこんなこと続けていたらいつか死ぬよ。
最終4ピッチ目は、心やすらぐ緩斜面のナメであった。私はこんなもので充分である。いやはや。
充実過ぎるほど充実したアイスは無事終了したが、ここから取り付きまでの難しい下降、車までの長い林道歩きがおまけに付いていて、おきまりの夜間下山となった。
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